三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お父さんとドライブ」
今回紹介するのはそういうエピソード。
三枝タミの物語シリーズ
三枝タミの物語(前編)
三枝タミの物語(中編)
三枝タミの物語(後編)
三枝タミの物語 あとがき
「三枝タミの物語 外伝:三枝美恵子の章」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「希望ヶ丘の決闘」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「レストランの秘密」
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お父さんはタミちゃんがお父さんに慣れる期間を持とうということで、隣の部屋を借りて住んでました。
そんなある日のこと。お父さんは考える。
「もっとタミちゃんと・・・
仲良くなりたい。
尊敬されたい。
頼られたい。
父親として認められたい。」
お父さんの妄想
タミちゃん「お父さんすごーい。お父さん大好き!チュッ」
照れるお父さん。
「それほどでも・・・・あるよ!」
お父さん「なあ、美恵子さん。タミちゃんと二人でドライブに行きたいんだけど・・・」
お母さん「・・・」
お母さん「(タミちゃん、前のお父さんに殴られてたから、心配だわ。)」
お母さんはしばらく悩みました。
お母さん「わかりました。今すぐには無理だけど、それとなくタミに聞いてみます。」
お父さん「そう!?(やった)」
お父さんは凄くうれしそう。
お母さん「きっと、早くタミと仲良くなりたいのね・・・。大丈夫かしら」
それから数日後
お母さんはタミちゃんとお話をしました。
お母さん「ねえ、タミちゃん。お父さんと車でどこかにお出かけするとしたら大丈夫?」
タミちゃん「うん、大丈夫だよ。お母さんも行くんでしょ?」
お母さん「タミちゃん、お母さんはちょっと忙しくて行けそうにないから、お父さんと二人じゃいやかな?」
タミちゃんは途端に顔を曇らせ「え・・・・お母さんは行かないの?。じゃあタミも行かない。」
お母さん「そう・・・じゃあ、仕方ないかな。お父さんにはお母さんから『ごめんね。』って言っておくわ。」
タミちゃんは頭をフル回転させて考える。
「(・・・お母さんの服も私が今着てるこの服もおいしい食べ物もお父さんがくれたもの。断ったら、お母さんも困るかもしれない・・・)」
タミちゃんの妄想
お父さん「タミちゃんはちっともいうこと聞かないじゃないか。服は返してもらう。ご飯も取り上げちゃうぞ」
お母さん「あなた許してください。」
お父さん「いうことを聞かないタミちゃんなんていらない子だからダンボールにいれて橋の下に捨てちゃうぞ」
お母さん「タミちゃんごめんなさい。お父さんには逆らえないの」
タミちゃん「グスングスン。お母さーん。待ってー。」
猫「にゃーん」
犬「クゥーン」
この時のタミちゃんは貧乏暮らしで栄養が足りずに5歳の時からほとんど背が伸びておらず、以前、毎日暴力を振るわれていたので、小さなタミちゃんには大人の人がとても怖く見えていました。
タミちゃんは天使の笑顔で
「ううん。やっぱりタミ、車でお父さんとお出かけする。新しいお父さんと早く仲良くなりたいから。」
お母さん「そう?本当に大丈夫」
タミちゃん「(お母さんが明らかにほっとしてる。やっぱりお父さんの言うことは断りづらいんだ。)」
タミちゃん「大丈夫だよ!お母さん。心配しないで」
ピピピ
ドライブの当日
ピピピ
お父さん「それじゃあ、タミちゃん助手席に乗って。出発進行!」
お父さんはご機嫌で車を発車させました。
ブォーン。ガタガタ。
しかし、お父さんがこの時選んだ車はスポーツカーでした。
タミちゃんは車には乗ったことが無く、小さなタミちゃんにとって、スポーツカーの音と乗り心地は不安が一杯でした。
タミちゃん「(すごく揺れる。うるさい・・・・。大丈夫かな。)」
タミちゃんは涙ぐんでるのがバレないように必死にごまかしました。
ピピピ
お父さん「どうだい?タミちゃん。この車とても速いだろう」
お父さんは調子にのってアクセルをふかしました。
タミちゃん天使の営業スマイル
「うん。お父さん。タミとっても楽しいよ。」
ピピピ
そして、やがて、近場の観光地につきました。
タミちゃん「(ここは・・・。前のお父さんに首を絞められた・・・・)」
甦る暗黒の思い出・・・・
ピピピ
お父さん「タミちゃん。こっちこっち。」
(舞い上がって子供のようにはしゃぐお父さん)
ピピピ
お父さん「おいしそうなソフトクリームだね。タミちゃんは何が食べたい?」
タミちゃん「え・・・・。いえ、いいです。」
タミちゃんは首を絞められる前に買ってもらったところと同じソフトクリーム屋さんに連れてこられて明らかに腰が引けていました。
もちろんあれっきり二度と来ていません。
ピピピ
お父さんは顔を顔を曇らせて明らかにがっかりした様子で
「そうかい?遠慮なんてしなくていいのに。」
タミちゃん「(お父さんが明らかにがっかりしてる。)」
タミちゃん「じゃあ、チョコのアイスがいいです。」
タミちゃんは前のお父さんに首を絞められたときはバニラを頼んだので、今回はチョコを頼みました。
お父さん「おいしいかい?タミちゃん」
タミちゃん天使の営業スマイル
「うん。ありがとう。お父さん。」
ピピピ
お父さん「(やった。これでタミちゃんと相当仲良くなれたに違いない。自己採点で言えば120点くらいだ!流石だ俺。)」
ピピピ
そしてタミちゃんの忍耐力は何とか持ちこたえて、無事に家に戻ってきました。
お母さんは家で夕食の支度を早く始めて、ドライブには行けないそぶりを装っていましたが、不安な面持ちで帰ってくるのを待っていたら、ちょうどお父さんとタミちゃんが返ってきたのでほっとしました。
お母さん「どうだった?タミちゃん」
タミちゃん天使の営業スマイル
「うん。とっても楽しかったよ!」
お母さん「よかった。何もなかったみたい。」
タミちゃんと相当仲良くなれたと思っているお父さんは座ってるタミちゃんを抱きかかえて、ご機嫌で自分の膝に座らせました。」
タミちゃん「(ギャーーーーーーー。やめてーーーーー。触らないでーーーーー)」
ピ-
お母さん「(あ・・・タミ、今すっごい我慢してる。)」
お母さん「あなた、タミちゃん少し疲れてるみたいだから。休ませてあげて」
お父さん「ん?本当かい?タミちゃん」
タミちゃん天使の営業スマイル
タミちゃん「お父さんごめんなさい。とても楽しすぎて少し疲れちゃった。」
有頂天のお父さんはタミちゃんをようやく解放してあげました。
お父さんは一旦自分の部屋に戻りました。
お母さんは足りないものがあると買い物に出かけるふりをしてタミちゃんの様子をこっそり見ると・・・
タミちゃんはお父さんとお母さんがいなくなったことを確認すると今日一日我慢したことが堰を切って溢れ、声を殺して泣き始めました。
グスングスン。
お母さん「やっぱり・・・・」
ガンバレ!タミちゃん。人生は忍耐だ!
後日談
お父さんはお母さんからタミちゃんとどこに出かけたのか尋ねられ、例の観光地の話をするとそこは実のお父さんから酷く虐められた嫌な思い出のあるところだと聞かされてガックリ肩を落とすお父さん。
小4女児に接待営業のようにされていたと気が付かずに有頂天になっていた自分に激しく落胆するお父さん。
これ以降、タミちゃんと二人きりで遊びに行くことは控え、必ずお母さんと三人で遊びに行くことにしたお父さん。
タミちゃんに怖がられずに遊びに行ける日は来るのか・・・?
果たしてお父さんの評価がプラスになることはあるのか?ガンバレお父さん。
今回は「嘘の涙は相手を傷つけ、嘘の笑顔は自分を傷つける」という格言に倣ってお話を作ってみました。
ガンバレ、タミちゃん。ガンバレ、お父さん。(笑
使われている車のMODはランボルギーニ アヴェンタドールという実車は4400万くらいするものですが、タミちゃんはお気に召さなかったようです。
110cm程度しかないタミちゃんにとっては恐らくかなり怖かったんじゃないかと思います。
ちょっと浮世離れしたところがあるお金持ちであるお父さんと、暴力を振るわれていたため、相手の顔色を読むことに長けて年齢に似合わずとても賢く決して本音を見せないタミちゃん。
ちょっとしたことですれ違ってしまうのですが、たったの110cm程度しかないタミちゃんにとって大人の人と行動することによる刺激というのはかなり大きいんじゃないかと思います。
この時期は新居に入る直前の時期で服だけは新しくなっていますが、部屋は貧乏アパートのままです。
犬と猫はもっとコミカルなかわいらしいのがあればタミちゃんと一緒に捨てられている感が出て可愛かったと思うのですが、リアル系のものしか持ってませんでした。
お父さんはタミちゃんが大好きなのですが、その気持ちはなかなかタミちゃんには伝わらないようです。
三枝タミの物語シリーズ
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