三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「マーケティングリサーチ」
この話は回想の中に北村が出てきます。
嫌いな人は注意してください。
まあ、私も嫌いですが・・・。
北村「よう、お前ら。元気だったか?俺だよ俺。北村だ」
北村「俺様はこの物語の真の主人公と言ってもいい。お前らも俺のようなクールな男を目指せ。」
北村「今日もタミと美恵子をバシバシ躾けるぜ。期待してくれ。」
三枝タミの物語シリーズ
三枝タミの物語(前編)
三枝タミの物語(中編)
三枝タミの物語(後編)
三枝タミの物語 あとがき
「三枝タミの物語 外伝:三枝美恵子の章」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「希望ヶ丘の決闘」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「レストランの秘密」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お父さんとドライブ」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お風呂上がりのフルーツ牛乳」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「翼を持った少女」
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ドライブの時はタミちゃんの地雷を踏んでしまった。
フルーツ牛乳でやっとプラスになったけど、まだまだ油断できる点数じゃない。
前回はなぜ失敗したのか・・・。
そう、何が地雷で何が地雷じゃないかわからないからじゃないか。
外洋に出るのにコンパスも海図も持たずに行けば遭難するのは当然。
ではどうすればいいのか?
商売でも同じ。わからないことは聞けばいい。
そう、タミちゃんにマーケティングリサーチすればいいのさ。
フッ。流石、俺。
というわけでお父さんはタミちゃんに聞いてみることにしました。
お父さんはこの時北村のことはそれほどひどい奴だとは思っておらず、お母さんも北村のことはあまり話したがらなかったのでタミちゃんが子供だったこともあって少し大げさな感じなんだろうと思っていました。体も小さいし。
お母さんは何か言いたげにしていましたが、こちらを気にしつつ台所で家事をしていました。
お父さん「タミちゃん。タミちゃんは前のお父さんとどんなふうに遊んでもらっていたのかな?」
タミちゃん「えと・・・・。タミは・・・・。前のお父さんとよく水遊びをしてもらっていました。」
お父さん「(ほうほう。やっぱりそんなに仲が悪いわけではなかったのでは・・・?)」
タミちゃん「水遊びというのは・・・」
タミちゃんの回想
北村「おい、テメエ、ふざけるんじゃねえ。給与の振込先変えやがって。新しい通帳よこせ」
お母さん「嫌よ。タミの小学校入学にかかるお金をそろそろ貯めていかないといけないわ。今まで通りにあなたのギャンブルやお酒に使うことはできないわ」
北村「ふざけるなよ、このアマ。調子に乗りやがって」
北村「よーし、タミ、ちょっとこい」
タミちゃん「嫌、嫌ー」
北村「いいから来い」
北村はタミちゃんの首を撫でて、いかにもお母さんが逆らったら首を絞めるぞと取れるようにゼスチャーしました。
お母さん「嫌よ。通帳は絶対に渡せない」
北村「よーし。タミ。お父さんと水遊びしよう」
タミちゃんは水遊びが何を意味するか分かっていたので激しく抵抗しました。
タミちゃん「嫌、嫌ー。」
北村は台所に行って蛇口を開けるとタミちゃんの顔を蛇口の水に当てました。
タミちゃん「ガボガボガボガボ」
タミちゃんは苦しそうに呻きながら必死で北村の手を振りほどこうとしましたがうまくいきませんでした。
やがて力尽きたタミちゃんを持ち上げた北村はお母さんに向かって
「早く通帳ださねーと、タミが部屋の中で溺れちまうぜ?間抜けはガキだなハハハハハハ」
お母さん「貴方、やめてー」
お母さんは北村の足にしがみつきましたが、それにキレた北村はお母さんを足蹴にしてタミちゃんをゴミ袋のほうに放り投げました。
気が付いたタミちゃんはお母さんを庇って両手を広げました。
お母さん「タミちゃんダメよ。逃げなさい」
北村「お、なんだタミぃぃぃぃぃ。俺に逆らう気か?」
タミちゃん「お父さんは・・・なんで弱い者いじめばかりするんですか?」
北村「やめてほしいか?」
タミちゃん「やめてくだしゃい」
口の中が切れたタミちゃんは発音が少しおかしくなっていました。
北村「じゃ、お前がちゃんと俺に謝ったら。やめてやるぜ。できるかなあ。」
北村はニタニタと笑いながらタミちゃんに言いました。
お母さん「いうことを聞いてはダメよタミ。早く逃げなさい」
北村「余計な事言ってんじゃねえ」
北村はお母さんのおなかを蹴るとお母さんはおなかを抱えてうずくまりました。
タミちゃんはお父さんに謝りました「ごめんなさい・・・・」
北村「謝るときはちゃんと土下座しろ」
タミちゃんはお父さんに土下座して謝りました「ごめんなさい」
北村はお母さんをさらに足蹴にしました。
タミちゃん「謝ったのに・・・・なんでお父しゃんはやめないんですか?」
北村「おう、ちゃんと謝れたな。偉い偉い・・・」
タミちゃん「なんで・・・・?」
北村は舌出してバカにしながら「ありゃ、嘘だあ・・・・・ハハハハハハ」
北村はタミちゃんを突き飛ばしました。
お母さんは北村にしがみつきながら叫びました「タミちゃん、逃げなさい」
タミちゃん「うわぁぁぁぁぁぁん」
タミちゃんは泣きながら部屋を飛び出し、いつもの公園に向かいました。」
やがてしばらくたって北村に殴られて目の周りを青くしたお母さんは公園に向かいました。
お母さん「(目の周りに傷が出来てしまった。化粧でごまかさなくては・・・・。もう死んでしまいたい・・・・)」
お母さん「(通帳も結局取られてしまった。私が死んだらタミは・・・・)」
お母さんは公園につくまで涙ぐんでいましたが、遠くからタミちゃんを見つけると泣かないようにしました。
公園には誰も居ませんでした。
タミちゃんの姿を見ると北村と関わり合いになりたくない街の人は一斉に出て行ってしまうからです。
お母さん「タミちゃん。」
タミちゃん「お母さーん」
タミちゃんはいつも通り泣きながらお母さんに抱きつきました。」
お母さん「(私がしっかりしなくては。私がこの子を守らなくては・・・)」
お母さんとタミちゃんが北村の魔の手から逃れて今のお父さんに出会うまで数年の時を要します。この時、二人の生活にはわずかの光もありませんでした。
タミちゃんの回想終わり
タミちゃん「どうして前のお父さんがあんなに意地悪だったのかタミにはわからないです。グスングスン。タミが悪い子だから邪魔だからってずっと言われてました。」
タミちゃんは話すうちに泣き出してしまい、お母さんが部屋に連れて行きました。
お母さん「タミちゃんに不自由させたのはみんな私の責任です。申し訳ありませんでした。」
お父さん「そんなことはないよ。美恵子さんのせいでもタミちゃんのせいでもない」
(でもあまりにも現実離れしすぎているのも事実なんだよなあ・・・)
外面が恐ろしいほど良かった北村を少しは信じていたお父さんはいろいろと考えました。
一計を案じたお父さんは、結局お金を使って調査することにしました。
タミちゃんの言うことを信用していなかったわけではありませんが、タミちゃんがまだ子供だったこともあり、ちょっとしたことを大げさにとらえている可能性があったからです。
かなり多額の費用を使って調査した結果が出てそれを見たときお父さんは怒り狂いました。
お父さん「なんだこれは!なんだこれはー!!!!」
・タミちゃんの言うことはほぼ全部真実だったこと
・お父さんが学生時代に起業資金として貯めていたお金をお母さんの出産費用として(あげるつもりで)北村に貸しのですが、それは遊んで使ってしまっていたこと
・タミちゃんもお母さんも北村に暴力を振るわれて、その上、北村の影響で街の人たちから無視されてきたこと。
・その関係で今もタミちゃんには友達がいないこと
調査書にはこれらのことが一部証拠付きで報告されていました。
お父さん「(美恵子さんが幸せになるようにと貸したはずの出産費用は北村の野郎の遊びの金になっていたのか!)」
会社にて・・・・
藤崎専務「どうしたショウ。最近様子が変だが。」
お父さん「これ、見てもらえるか」
藤崎専務はお父さんが調査会社に頼んで出した調査書を読みました」
藤崎専務「酷いな。これ。この北村って男、実在する人物なのか・・・・?。映画に出てくる悪役みたいだぞ」
お父さん「株は全部専務に売る。俺は今からタミちゃんの小学校に行って、職員室にいる先生の脳みそ金属バットで吹っ飛ばしてくる」
藤崎専務「まてまて、お前、あの町は地元なんだろう。そんなやり方より市議会議員を使ったらどうだ?」
お父さん「北村が生きていたら地の果てまで追い詰めて、報いをくらわしてやるところだが・・・・。もう死んでるからな。そうだな。そうしよう」
お父さんは藤崎専務の助言に従い、数名の市議会議員に調査書を見せて、同時に小学校の職員室に行って校長先生に直談判しました。
その場では調査書の内容は一時保留とされ、お父さんは怒りに震えながら帰りました。
しかし、後日、市議会議員に渡した調査書は市長にまでわたりました。
調査書には全てではありませんが、微妙に言い逃れ出来ない証拠が含まれており、中に書いてあることは真実とされました。
そして、タミちゃんたちが住んでいる町の中で一大疑獄事件として騒ぎになりました。
タミちゃんやお母さんを虐めていた市役所の派閥の人たちは責任を取らされて窓際に左遷されました。
お母さんにさんざん意地悪をした看護婦Cはお母さんに土下座謝罪させられました。
いかにもお母さんのために行動したと言わんばかりに看護婦Cに付き添ってきた市の幹部が実は黒幕なことを知っていたお母さんは泣きながら土下座する看護婦Cを許してあげました。
※ 看護婦Cをトカゲのしっぽの様に切り捨てたその市の幹部は後日責任を取らされました
校長先生はお父さんからの申し出があった時すぐに対応しなかったということで教育委員会と市議会議員から責められ、入院してそのまま休職しました。
そして新しい校長先生に変わりました。
タミちゃんは単に無視されていただけなのでいじめがあったかなかったというのは最後まではっきりしませんでした。
学校では全校の生徒に虐めについてという調査が何度もなされましたが、結局はっきりした結果は出ませんでした。
お父さんはその結果にかなりの不満を抱いていて、後日学校に無理難題を吹っ掛けてモンスターペアレント気味になるきっかけになりました。
全てが終わった時、お父さんはタミちゃんに謝りました。
お父さん「ごめんよ。タミちゃん。お父さん、タミちゃんの言うことを少し疑っていたんだ。でも、タミちゃんの言うことは全部本当だったことが分かった。これからはタミちゃんが虐められないようにお父さんが守るよ」
お父さんは自分が優しく差し出した手におびえてお母さんにしがみつくタミちゃんを見て、こんな風になるまで傷ついたタミちゃんが自分から心を開くいてくれるようになるまで気長に待とうと思いました。
「それが今までタミちゃんの言うことを信じなかった自分の義務なんだろう」そして、二度とこの子がこんな風に傷つかないように守っていくことを改めて自分に誓いました。
お父さんはお母さんにも謝りましたが、お母さんは自分の責任もあるから謝らなければいけないのは自分の方だと逆にお父さんに謝りました。
お父さんはそれを聞いて、何も言いませんでした。
この一大疑獄事件が終わった後、タミちゃんにようやく学校のお友たちができるようになるのですが、それはまた別の話で触れます。
次回 「渚登場」