三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「渚登場」
お父さんがお金を使って調査した書類によってタミちゃんの街では大騒ぎが起きてしまいます。
直談判しに行った小学校でけんもほろろに対応されたお父さんは怒りに震えます。
このころからお父さんはタミちゃんの言うことを信じてこなかった負い目から心配性が徐々に強くなっていきます。
三枝タミの物語シリーズ
三枝タミの物語(前編)
三枝タミの物語(中編)
三枝タミの物語(後編)
三枝タミの物語 あとがき
「三枝タミの物語 外伝:三枝美恵子の章」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「希望ヶ丘の決闘」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「レストランの秘密」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お父さんとドライブ」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お風呂上がりのフルーツ牛乳」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「翼を持った少女」
三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「マーケティングリサーチ」
三枝タミの物語 特別編 「タミちゃんの物語を通じて問いかけたかったこと」
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藤崎専務はお父さんから借りた調査の資料を家に持って帰り、美亜のお母さんに見せます。
藤崎専務「これ、どう思う」
美亜のお母さん「酷いわね。タミちゃんよくあんなに元気に育ったものだわ」
美亜のお母さんは涙ぐみながら言いました。
寝室から起きて来た美亜はこっそり隠れてお父さんとお母さんの話を聞いていました。
美亜「タミちゃんは学校で一人ぼっちで虐められてるんだ・・・・」
美亜「私がなんとかしなくては・・・」
と子供らしい思い込みの強さで美亜は一大決心をしてしまいます。
翌日、美亜はお年玉を貯めていた貯金箱を壊してタミちゃんを虐めから救うべく、電車に乗ってタミちゃんに会いに行きました。
もちろんお父さんとお母さんに内緒で・・・。
美亜「勢いでここまで来てしまったけど、タミちゃんのお家はどこだったかな・・・」
美亜は公園に通りかかると、一人で遊んでいるタミちゃんを見つけました。
美亜「(本当に一人ぽっちで遊んでる・・・)」
美亜は誰も居ない公園に衝撃を受けました。自分の近所ではまずありえないからです。
美亜「タミちゃん!」
タミちゃん「美亜ちゃん!どうしたの?」
美亜「迎えに来たんだよタミちゃん。一緒に私のお家に行こう!」
美亜はタミちゃんを抱きしめながら言いました。
タミちゃんは美亜の行動に疑問を感じましたが、美亜の真剣なまなざしを見て、自分を真剣に心配してきてくれたことを感じて、何も言わずに美亜についていくことにしました。
タミちゃんはたった一人の友達である美亜が自分の心配をしてくれたことが何よりうれしかったのです。
美亜とタミちゃんは子供二人で電車を乗り継いで美亜の家に行きました。
途中でタミちゃんと食べるためにドーナツを買って・・・・。
美亜はタミちゃんを自分の部屋に匿うとタミちゃんと一緒にドーナツを食べながらいろいろなお話やゲームをして過ごしました。
そのころ・・・タミちゃんの自宅
お父さん「こんな時間になってもタミちゃんが帰ってこない・・・。まさか誘拐されたり事故に遭ったのでは?。いや、虐めにあってどこかに閉じ込められてるのかも・・・」
お母さん「貴方、心配しすぎですよ。タミちゃんは賢い子です。大丈夫です。」
再び美亜の自宅・・・
美亜「お母さん、夕食一人分追加できるかな?」
美亜のお母さん「あら、どうしたの?誰かお客さん?」
美亜「うん。タミちゃんが虐められてるって聞いたから救けに行ったの」
美亜はどうだと言わんばかりに胸を張りました。
美亜のお母さん「まあ、こんな時間まで!?お家には連絡してあるの?」
美亜は顔を曇らせて「え・・・?してないけど・・・・?」
美亜のお母さんはそれを聞いて慌ててタミちゃんのお母さんのスマホに連絡を入れました。」
タミちゃんのお母さん「はい、三枝美恵子です。」
美亜のお母さん「まあ、奥さんですか?藤崎です。実はうちの子がタミちゃんを連れて来ちゃって。今うちに来てるんです。」
タミちゃんのお母さん「まあ、そうなんですか、それは申し訳ありません。」
美亜のお母さん「こちらこそ申し訳ありません」
お父さん「な、タミちゃんか?今どこにいると?」
お母さんは電話を一旦中断してお父さんに「今藤崎さんのお宅にお邪魔してると」
お父さんは外出の準備をしながら「今すぐ迎えに行くと言ってくれ」
お母さんは電話を続けて「すみません藤崎さん。今から主人が迎えに行くと言ってます。」
美亜のお母さん「いえいえ、もう夕食も用意してますし、美亜もタミちゃんと一緒に寝るのを楽しみにしてるので、どうでしょう今晩一晩だけお預かりして明日、責任をもって私が自宅まで送りますので。」
タミちゃんのお母さん「そこまでご迷惑をおかけするわけには・・・」
美亜のお母さん「いえいえ、うちの主人もタミちゃんとお話するのが楽しいみたいですし。」
お母さんはこれ以上断るのは失礼かと思い、タミちゃんを一晩預けることにしました。
何より以前新婚旅行に行ったときに預かってもらっていますから安心していました。
タミちゃんのお母さん「そうですか?。それでは申し訳ありませんけどよろしくお願いします。」
それからタミちゃんのお母さんと美亜のお母さんはしばらく情報交換しました。
お父さん「迎えに行っていいのかい?」
お母さん「いえ、藤崎さんのところで一晩預かっていただけるということでしたのでお願いしました。もう夜も遅いですし、明日藤崎さんの奥さんが送ってくれるそうです。」
お父さん「まあ、藤崎くんのところなら大丈夫かな。でも落ち着かないなあ。」
お母さん「美亜ちゃんはあの報告書について藤崎さんが話をしているのを聞いて心配になったみたいですね」
お父さん「優しい子だな。タミちゃんと同じ学校だったら心強かったのに」
再び美亜の家・・・
タミちゃんが来たので予定を変更して超豪華な海鮮丼に変更になった藤崎家の夕食。
タミちゃんは豪華海鮮丼をガン見していました。
美亜の母「それじゃタミちゃん、おばさんのお膝の上に座って食べようか?」
タミちゃんの身の上を知ってダダ甘になる美亜のお母さんであった。
タミちゃん「タミ一人で食べられます。」
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美亜の母「おばさんの言うこと聞かないと、プリン当たらないぞー」
タミちゃん「おばさんのお膝の上で食べます。」
美亜「あー、ずるいお母さん。私が連れて来たタミちゃんなのにー」
藤崎専務「じゃあ、俺も・・・」
美亜「お父さんはダメ!」
美亜の母「貴方はダメ!」
美亜「そんなゴツイ顔で近づいたらタミちゃんが怖がる」
藤崎専務「ゴツイ顔・・・・」
娘の一言にナイーブに傷つく藤崎専務だった。
そのあと、美亜と美亜の母と一緒にお風呂に入ってから美亜と一緒に寝ました。
二人が寝たのを確認した後・・・
藤崎専務「ちょっと過保護すぎるんじゃないのか」
美亜の母「そうかもしれません。でも私はあの子に[人は愛されるために生まれてきた]ということを教えてあげたいんです。」
藤崎専務「・・・・ま、何が正解かなんて、神様じゃなければわからないけどな。」
※ こんなことを言ってますが、藤崎専務もタミちゃんが寝る前にデレデレしながら外国文学の話をしており、十分甘いです。美亜のお母さんも半分笑いながら話を聞いてる状態です。
次の日の朝
美亜「じゃあね。またねタミちゃん。」
タミちゃん「またね、美亜ちゃん。」
(美亜ちゃん。私のたった一人の友達・・・・)
こうして、タミちゃんは美亜のお母さんに連れられて無事、自宅に戻りました。
※ ちなみに美亜がお年玉を使ってタミちゃんを迎えに行った費用(電車代とドーナツ代)は藤崎専務が全額補填してくれました。
渚登場
そのころ・・・・渚の自宅
渚のお母さん「渚・・・ちょっとこっちにいらっしゃい。」
渚「どうしたのお母さん」
渚のお母さん「三枝タミちゃんって子がいるでしょ?」
渚「うん。いるよ。前からお話してみたいと思ってたけど、お付き合いしたらダメなんでしょ?」
渚のお母さん「なにかいじめにあってることがすごーく問題になってるみたいなのよ。校長先生も倒れるほど大騒ぎになっていて、教育委員会でも問題になってるらしくて・・・。渚何か知らない?」
渚「うーん。特に虐められてるとかは無いと思うけど・・・。でも誰も話かけてないかな。」
渚のお母さん「そう。そうね。渚、もしできるならそのタミちゃんって子のこと助けて上げてくれない?」
渚「わかった。できるかどうかわからないけど、やってみる」
渚のお母さん「お願いね」
渚「(少し前までは絶対に付き合っちゃダメって言ってたのに、大人って勝手だなあ)」
実はこの話が出た経緯は、先生から渚のお母さんに連絡があって協力してほしいと頼まれていたのだ。
校長先生が倒れて、教頭先生以下、タミちゃんの学校の先生たちは頭を抱えており、何とかこの状態を改善しない限りは風当たりが強くなりすぎて困り果てていたのだ。
鷹宮渚のお父さんは一流企業の役員で、この町ではとても裕福な家庭だった。
渚は先生からの評判も上々でタミちゃんと同じ年でありながら、身長もほとんど大人と変わらず、堂々とした態度と大人びた風貌から上級生もおいそれとは口を出せない評判の美少女なのだ。
文武両道、勉強もスポーツもできる超優等生、近所の世話好きのおばちゃんからはタミちゃんと同い年なのにたびたび見合いの話をもってこれられるほどだ。
果たして渚とタミちゃんのファーストコンタクトはどうなるのか?二人は友達になれるのか?次回に続く。
あとがき
渚の自宅が美亜の自宅と同じなのはもうマンション内部のストックが無いからです(笑
いいんです。同時期に買ったマンションでみんな同じような間取りなんです(笑
前回のお話でも出しましたが、虐待ものを書く小説家が少ないのは現実の虐待にはかなわない上に表現として問題になる可能性があるからだと思います。
前回紹介した結愛ちゃん虐待死事件もやはり現実の虐待の残酷さには絶対にかなわないと思わせる事件でした。
「あ・ら・か・る・と」ではタミちゃんは不幸な目には遭わないのでそういうのが嫌いな人も安心してみてください。