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三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「渚とタミちゃん」

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Byhslre

お母さんに頼まれて渚はタミちゃんと接触しようとします。

校長先生が倒れて、タミちゃんの担任の先生は心労でげっそり痩せました。

あまりに負担が大きいので、副担任を付けて二人体制にすることになりました。

渚とタミちゃん1

渚とタミちゃん4
渚のお母さんにタミちゃんの友達になってくれるように頼んだ担任の先生と副担任の先生は他の生徒にばれないようにこっそり注目していました。

三枝タミの物語シリーズ

三枝タミの物語(前編)

三枝タミの物語(中編)

三枝タミの物語(後編)

三枝タミの物語 あとがき

「三枝タミの物語 外伝:三枝美恵子の章」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「希望ヶ丘の決闘」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「レストランの秘密」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お父さんとドライブ」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「お風呂上がりのフルーツ牛乳」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「翼を持った少女」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「マーケティングリサーチ」

三枝タミの物語 特別編 「タミちゃんの物語を通じて問いかけたかったこと」

三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「渚登場」


三枝タミの物語 あ・ら・か・る・と 「いんたーみっしょん」
渚とタミちゃん2

渚とタミちゃん3

渚「こんにちは。三枝さん」

タミちゃん「えと・・・・コンニチハ」
(確かこの子は・・・鷹宮さんだったかな・・・)

渚「私は鷹宮渚っていうの。」

タミちゃん「うん。知ってる・・・私は三枝タミです。」

渚「タミちゃんって呼んでいい?」

タミちゃん「うん。」

渚「私のことも渚でいいよ。」

タミちゃん「渚・・・ちゃん?」

渚「タミちゃんってすごく成績いいよね?どんな勉強してるのか凄く興味があったんだ。よかったら私と友達になろう。」

タミちゃん「え・・・・と、ハイ。」

渚「じゃあ、私のお家に遊びにおいでよ。タミちゃんのお家って山の手って呼ばれてるS地区のでっかい洋館だよね?」

タミちゃん「うん。そうだよ。」

渚「今度お家に遊びに行っていいかな?」

タミちゃん「えと・・・お母さんに聞いてみるね。」

渚はクラスの人気者で、その動向はみんなから注目されていたので、かたずをのんで見守っていたクラスメイトは、渚とタミちゃんの話を聞いて、軽くざわついていました。

職員室1

職員室2

担任と副担任の先生は、渚のお母さんに頼んだことがさっそくうまくいったので、急いで職員室に報告に行きました。

担任「教頭先生。うまくいきました。」

教頭先生「はあ・・・・そうか。これで少しはこの張りつめた状態もマシになるかな。教育委員会や市議会議員からは、どうなってるのかと定期的に問い合わせが来てる状態だからな。これでいじめはなかった。無視もされてなかったと報告できる・・・」

職員室には安どの空気が広がっていきました。

教師A「私も市役所にいるいとこからどうなってるのって毎日のように聞かれるのよねえ」

教師B「僕なんてR市議からやんわり脅されましたよ。ほのめかしっていうの?もしいじめがあったら君らタダじゃ済まんぞって、遠回しに言われました。」

教師C「あのひと脅すの上手よねえ。」

職員室の雰囲気は明らかに明るくなって、冗談も出るようになりました。

教頭先生「まだまだ油断できる状態じゃない。みな気を引き締めるように。それと、校長先生は休職されるそうだ。しばらくは我々だけで対応していかにゃならん。」

校長先生休職の知らせを受けてまた職員室はざわざわとしました。

そのころ、タミちゃんは・・・

渚「タミちゃん。もしよかったら、今日、私のうちに遊びに来てほしいかな?。」

タミちゃん「え・・・いいの?突然すぎて迷惑じゃない?」

渚「いいの。大丈夫です。」

渚はクラスだけではなく、学校でほぼ最上位のカーストに属する少女だ。
その家に招かれるというのは滅多になく、上級生も含め、数名の友達のみ。

貧乏時代のタミちゃんは指定のジャージも明らかに違うものを無理やり似せて作ったり、ランドセルじゃなくてリュックサックだったりして貧乏過ぎて周りの子からドン引きされていたので、クラスの中では空気のような存在でした。
係なども当てられたことはほとんどなく、クラスの子も親からタミちゃんには話しかけないようにきつく言われていたので、ほとんど誰とも口をきいたことが無かったのでした。

だから変な服・変なランドセル(?)を使ってもいじめにあうことはなかったのですが、友達もできませんでした。
この一件によって、タミちゃんは何となく話しかけてはいけない雰囲気の子から、一気にスクールカースト最上位の子の友達にジョブチェンジしたのでした。

渚はお母さんに頼まれる前からほとんど勉強してない、教科書を開いても明らかに見てないこともあるタミちゃんがどうやっていい成績を取っているのか勉強法にとても興味があったので、頼まれたからだけではなく純粋な興味でタミちゃんと放課後までいろいろとお話しました。

そして放課後までに渚はタミちゃんが尋常じゃない頭の良さを持っているのではないかと思うようになりました。
たったの数時間ですから、はっきり結論は出せませんでしたが、それに関しては今度一緒に勉強しようと誘ってみることにしました。
そこである程度はっきりするはずだと思ったからです。
タミちゃんほどではないにしろ、渚もかなり利発な子だったのです。

二人はとても利発なのでちょっと普通の子が入っていけない話題になったり雰囲気になったりするので、タミちゃんは渚といることが多くなりました。

渚には取り巻きの子が何人かいるのですが、タミちゃんと渚の雰囲気から、タミちゃんも取り巻きの畏敬の対象となりました。

「渚さんと一緒にいる小さな子」、そういう風に周りの子たちは解釈しました。

タミちゃんは同年代の子の中ではとても体が小さかったので、嫉妬の対象にはならなかったのです。

後になって、渚からタミちゃんがとても頭がいいことが取り巻きの子たちを通じてクラスや校内に広まり、やはり渚の友達は何か普通と違う特別な才能を持っているんだとまことしやかにささやかれました。

この日のことはすぐに市議と教育委員会に報告され、「タミちゃん虐め疑獄事件」は終わりを告げました。

※ お母さんの方はすでに看護婦Cを許したのでかなり以前に終わっていました。

渚「タミちゃん。遠慮なく入ってね」
タミちゃん「お邪魔します。」
タミちゃんは学校で始めてできたお友達の渚の家にお邪魔して、少し緊張していました。
※ 別に渚を特別視するとかはありません。

渚ママとタミちゃん1

渚ママとタミちゃん2

渚ママとタミちゃん3

渚のお母さん「まあ、可愛いお客さんね。」
渚のお母さんはタミちゃんをひょいと持ち上げるとダイニングのイスに座らせました。

赤面する渚

渚は、以前とは全く言うことが違う母のあまりの豹変ぶりに赤面してしまいましたが、渚の母は全く悪びれるところがありません。
渚「でも抱えられるタミちゃんは可愛いかも・・・」

ショートケーキを食べるタミちゃんと渚

そのままタミちゃんと渚のためにショートケーキを出すと、SNSに投稿するための写真を何枚かとりました。
タミちゃんと渚はショートケーキを食べながら楽しくお話しました。
今度は渚がタミちゃんの家にお邪魔する約束をして・・・。

こうして、渚のお母さんは、この日遊びに来たタミちゃんを歓迎し、「うちの子がいじめに遭っているタミちゃんを救った」と大いに株をあげました。

この時の様子はSNSを通じてママ友や先生に拡散しました。

先生からももちろんお礼を言われました。

こうして、あまり健全じゃない形でタミちゃんは学校に初めてのお友達が出来ました。

しかし、渚はタミちゃんの尋常じゃない頭の良さと知識の量から、タミちゃんの友達でいることに執着していくことになります。

お父さんはタミちゃんから友達が出来たことを聞きましたが、実際にうちに連れてくるまでは虐めが終わったかどうか信用しておらず、渚は休日にタミちゃんのうちに遊びに行くことになります。

渚「お邪魔します。おじさま、おばさま」

お父さん、お母さん「いらっしゃ・・・・い?」
お父さんとお母さんは渚を見て、顔を見合わせました。

得意なタミちゃん2

得意なタミちゃん

タミちゃんは胸を張って、得意になって言いました「わたしのお友達の渚ちゃんです」

驚くお父さん

驚くお母さん

タミちゃん「(ふふ、お父さんも、お母さんもびっくりしてる。きっとタミがお友達を作るのに苦労してると思ってたんだ)」
※ 全然違います。

そして自分の部屋に渚を連れて行きました。

お父さん「みみみみみみ・美恵子さんっ。どうしよう、タミちゃんが中〇生のお友達を連れて来た・・・」

お母さん「やはり何かあるんですかね」

お父さん「いくら学校でお友達ができないからって 中〇生のお友達を連れてきていじめが終わったなんて・・・・」

お母さん「私がお茶とお菓子をもって様子を見てきます」

冬眠から覚めたクマの様に居間をぐるぐると回るお父さん。

お母さんが戻ってくると「どうだった?」と尋ねました。

お母さん「あの子、タミちゃんと同じ年だそうです。」

お父さん「な・・・・?」

お母さん「私も中〇生か高〇生くらいかと思ったんですが・・・」
(OLって言われても信じてしまうかも・・・)

お父さん「そうか、とりあえず、虐めに遭っているということはないんだね。これで一安心だ。まあ、考えようによってはあれだけ大人びた子が友達ならそうそう虐めに遭うこともないだろう。お世話になった市議の人たちにはお礼をしないといけないな。」

こうして、渚を見て最初はびっくりしたお父さんとお母さんですが、タミちゃんに友達が出来たことに納得し、安心したのでした。

次回、タミちゃんの意外な才能が芽吹く?「お友達に教えてもらったこと」
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